詩を読む4/地獄のペチカ
 

ブーブーブー、ブーブーブーの為だろう
ただのブーブー、ひねもすブーブー}


女は音を語る。それは快楽のように。快楽と幸福の差に何があるというのだ。根を張る場所を奪い取られた現代を生きていかなければならないのだ。「ブーブーだろ人生は」と結論付ける女の視線は形をもてない煙。だが、唯一の救いを見出そうとする。「おかあさん」だ。女は「おかあさん」になろうとしている。

{引用=来る日も来る日も世人の無理解無関心、蔑視偏見、罵詈雑言に遭う
何しろ「マザー」「ママちゃま」「おかあさん」
赤の他人からそう呼ばれるまでに貫徹するのだ
ヒトサマの初めて役に立つとはそういうことだろう
人間
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