詩を読む4/地獄のペチカ
 
。夜が明けるまでは、今日が続く。そう信じたのは、酔いつぶれた女ばかりではない。男も今日をぎりぎりまで続けようとしているようだった。

 そのビジネスホテルのまた違う部屋。日本代表が決勝進出を決めた瞬間。一人の「セイネン」は「セイ」について考える。「セイ」にまとわり着く「欲」を鬱陶しく思うのだ。だが、ホテルに備え付けられたアダルトチャンネルを無視することも出来ず、またホテルの下の繁華街の誘惑にも目をつむれないでいる。「セイネン」は憤りを感じながら、ホテルの部屋を後にする。「欲」とは「良く」なのだ、とジャケットを羽織ながら考える。「セイネン」は繁華街に足を踏み入れ、古びた焼肉屋の門を叩く。暖簾の奥
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