林道を往く/服部 剛
昨日散歩した草原(くさはら)が
今日はまっさらに刈られていた
私はその中心に立ち
夏の終わりの太陽を仰いで
両手をあわせる
人生の筋書きはいつも
計り知れず
草原の刈られた草が
周囲の風にざわめけば
まっさらな草原は
全てをゆだねる私を乗せた
自然の御手(みて)になる
こころの窓の曇る時
私はいつも
あの炎天の太陽の
ひかりを胸に、呼吸する。
こころの窓の晴れる時
私はいつも
木漏れ日のそそぐ林道を
無心になって、踏みしめる。
まるで世界に一冊の本であるような
地上の物語を、目指して
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