単細胞/光井 新
されているんじゃないか、って何とも恐ろしい妄想をしてしまうんです。それもこれも私が単細胞のせいなんですけど、それとこれとで別にして話を進めないとこの恐ろしい妄想の輪から何時まで経っても抜けられない訳でして、じゃぁ、私は単細胞じゃない、ともとりあえず思ってみる訳です。そしたら今度は理解に苦しむんです。あの人の理解に苦しんで、あの人の理解に苦しむ自分の理解に苦しんで、その理解できないままスライドしていく事への理解に苦しんだ挙句、どうしてこんなに苦しいんだろうっていう理解に苦しんでいたら、理解する事よりも苦しみに耐える事の方がずっと楽に思えてくるんだから、やっぱり私は単細胞なのね。と、進化を拒む単細胞ですかね。
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