交錯詩「月」 フライハイ/森川 茂/within
交錯詩「月」 フライハイ/森川 茂
奇数行:フライハイ
偶数行:森川 茂
{引用=
眠られぬ夜 見上げる空
自然なんてさして美しくもない、と
歪な形に鈍く光るその衛星
吐き捨てる白く映る影がひとつ
有史以前から其処にあって
まるでアザのように
わたし達の星の周りを公転し輝き続けた
闇に光る滴のように
陽の光を受けながら
誘い、狂わせる真夜中の祝祭は
この星で起きた愚かな戦いや殺戮の歴史を
夜灯を持った白むくの狐の嫁入り
何も言わずにただじっと見つめ続けてきた
泥沼のぬかるみを掻
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