残照 / ****'98 '01改編/小野 一縷
やったほうがいいかと思って やっていた
不毛な体力の消耗と体液の排泄
怠惰を告げる白い鳥が 自己嫌悪の窓辺に降り立って言う
「自分の性器の形を熟知してどうする?」
鳥の くびれた頭を掴んで へし折る
自分と自分の性交渉
知り尽くしたつもりの体にも心にも
まだまだ未開の扉は 呆れるほど いくらでもある
その ひとつひとつを 開いてゆく
ひとつ優しく ひとつ強引に
ひとつ 扉を また ひとつ
・・・・・大きい なんて大きな門なんだ・・・・・
融けて溜まった蝋が 溢れ出す 崩れ落ちる
罅入ったビニールのソファーに 白い影
午後
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