夢の装置/まどろむ海月
 




きみに逢うために

朝の砂浜にすわり
雲と水平線がまばゆい


陽に光り 宙を駆ける
少年の日の思い出
時間はゆっくりと過ぎてゆく

打ち寄せる
やさしいさざ波




髪をなびかせ
きみが近づいてくる
この世のものとは違う
輝きにつつまれ


きみに聞かないようにしていることを
きみは ぼくに 聞く


 あなたは何処からきたの
 あなたは誰


ぼくは何も応えない
それは どうでもいいことだと
きみも知っているはず



 何もかも違って見える
 きみがそばにいると


 そして こんなに近くに
 きみの息遣いが



ぼくは きみのほうを見ない

銀色の幸福な時間は それでも

いつか薄れてゆく…






  目覚めて いつも

  私は驚く きみの

  容姿さえ知らない

  自分に














[グループ]
戻る   Point(2)