Rain/時間が蕩けるアインシュタイン
私は凍てつく雨粒に塗れて居る。空もアスファルトも真っ黒で、私は脳裏に流星の雨、全ての宇宙を思い浮かべ、其れ等全てが記憶の粒子として脳に埋葬される事を夢みて居る。今年の十一月は毎日が素直な冷たい雨の天候で、私の皮膚感覚、全ての心が私の体から離れ、アスファルトに投げ出される。全ては無に帰し、再び私達の元へ舞い戻って来る。金髪の高校三年生は、十一月の豪雨を疾走するリニアモーターカーで在り、卓越した私の発想力の友人で在る。
長い冬眠生活を終えた蝦夷地のホッキョクグマは、私達の鮭や海豹を鱈腹食い尽くす。春に成れば、薄いカーディガンの様な憂鬱は風に乗って飛んで行き、私の全世界で只一人の女性が弥勒の来世が
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)