夕焼け/
いてゆう
窓から
あなたは手を
しっかり振って
千切れた白い指をばら撒いて
電車と去っていった
撒かれた指は
日増しに
育って
鉄釘のように伸び
タイヤに穴を開けもした
だれも
どうすることも
できない
ある日 突然
夕焼けが鉄棒に火をつけたとき
海の水は
地下へ
流れていった
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