中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
ントの束の内容が詰め込まれている胸の中が激しく痛んだ。君は暫く心の様相を具現化した表情をしていたが、ようやく我に返ったらしく、?僕?の存在に気付いて、すぐに穏やかな表情に変えた。
「ゴメン…月に一度しか会えないのに、こんな私的でくだらない話で大切な時間を潰してしまったね…でも、君ならきっと僕の全てをさらけ出しても受け入れてくれると思ったから。…こんな僕を、君は嫌うかい?」
「とんでもないさ。君が苦悩しているというのに、ほっとける訳が無いだろう? 僕達は友達ではなかったかい?」
「そうだとも」
「例えば僕が君の立場だとして、君は僕を心配せずにいられるかい?」
「どんな難しい悩み事でも、必ず
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