中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
ゃって、『メジャーで絶対ウケる!!』と確信しながら作ってたよ。今発表しているのがそれらの一部で、僕達は今、三年先のアルバムの曲の練習をしているよ」
君は自信と余裕に満ち溢れた目つきで僕を見た。
「すごいや!!」
僕は君の話に入り込み、身を乗り出して聞き入っていた。天井の照明が奥の出入り口の硝子扉付近に永遠に変わらずに続くと感じさせる暗闇の濃淡を作り、僕は君とこの閉ざされた空間にいることで心に平安を齎されている事に気付いた。何時までもこの瞬間が続けばいいと思っていた。僕は君に何かを与え、君は僕に希望を与えてくれていた。そう確信していた。
僕達は一旦話を中断し、君のバンドが出している
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