詩を読む2/地獄のペチカ
てしまうのだ。「僕」はスカイフィッシュ。漂白され、溶け出した雑巾の断片。光さえ透過してしまう、もはや不透明とは呼べないほどの存在。「僕」の歩む道、それを知らないわけではない。
明るい明日を今日も信じて、荷台に紐で結ばれた未来を、コンクリートの凹凸で磨り減らす。それは、身の程を知れなかった僕の支払う対価。それが果たして、道に見合うものであったのか、もはや、悩む時間すら与えられてはいない。
磨り減っていく身を覚悟しながら、その道を歩まなければならない。やもすれば、「セイネン」もまた、「セイネン」以前に同じように覚悟したのかもしれない。ノートに描かれた一つのシミ。スカイフィッシュ。かつて生物界の頂点に君臨したアノマロカリスのように、今、生物界の頂点に君臨する人類は、その未来、身の程を知らなかった対価を払うのだろうか。存在しないことでしか存在をゆるされないことはない、と。
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