そこらへんにいくらでもいる人/豊島ケイトウ
しい気持ちを味わったあと、いやいや、そんなことよりも真っ昼間から家でパスタを食べお酒を飲みながら昼ドラを見る私自身に、あらあら、と言うだろうな、と、そう思い直した。
これはなんですか。私はふとつぶやいてみる。これふぁなんれすか。なるほど、たしかに呂律が怪しい。
お届け物の中身は認定書だった。「あなたは『そこらへんにいくらでもいる人』に認定されました、おめでとうございます!」簡潔に言えば、そういうことだった。別封には「つきましてはあなたを『そこらへんにいくらでもいる人々の町』へ御招聘いたします」と書かれており、案内図も載っている。
そこらへんにいくらでもいる人、か。私は、やっぱりな、と一
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