瞬瞳 / ****'03/小野 一縷
湿った目蓋
その表面には空気の原子流域が干渉している
ガラスに滲むノイズのような きみの画像
輝く グラス
揺れる グラス
いつもの グラス
いくつもの グラス
いつまでの グラス
いつまでも グラスメイト
きみとぼくとは そういった観点からして
二人の関係性の成立は ただの友情という繋がりではない
それは
随分と前から 気付いていたよ
何度目かの夜
鉄筋製の星の北極点に きみを
ぼくは遠心力で貼り付けて 走り回り
自転を発生させてから 一人笑い転げ 息を切らした
きみは 星に張り付いた大陸だった
無限の宇宙に 畏れても
きみは ぼくの
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