粉雪 / ****'03/小野 一縷
未来
人造人間が リゼルグ酸ジエチルアミドを
舌下に吸収した時
解かれていなかった 魂の 謎の幾つかが
明らかになるだろう
部屋中の塵が惑星になって
光りながら ゆっくりと往来する
8:50 現在
朝 本当の
昨夜の 吹雪のように
ざらついた光
光の粒 光る粒子 透明な砂
冷たい 粉
仕組まれた 罠
確信犯のDJ
音
音という 薬物
それも イリーガルな
上物
- 車の音 - サイレン -
パトカー?
これも サンプリング?
トリップ ホップの?
ひんやり冷たい 白い砂の中
倒れて そのまま眠りに落ちた
瞳孔を全開
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)