ジョプリン以降/salco
 
ンロールだ。ノリノリ。ブギウギ。

空前絶後。
こんな「黒い」歌手は今までこの国に存在したろうか。いまだ久保田だのZEEBRAだの、不出来な猿真似に終始する音楽シーンの(
EXILEはちょっち、おひげの子達がかわゆいから許す)、しかも70年前だ。
声質はエラ・フィッツジェラルドのように愛らしく、より迫力があり、ビリーのようにけだるく、より音域が広い。力みなく伸びやかで、パン
チが効いて表情豊か。自在な歌唱は天賦の才にしっかりと裏打ちされている。音大崩れや民謡出身の歌手ばかりだった時代にこのリズム感、こ
の発声は甚だ異質だ。時代状況を見れば、この人が同世代のエラやビリーに倣った可能性は
[次のページ]
戻る   Point(7)