ヴェルビューより / ****'04/小野 一縷
白昼 気だるい午後
軽く眩む ひと時を越して
背任罪に食い込む技法で
偽証罪に刷り込まれる詩句を素描
快楽とは
交感神経を複雑に甘い切れ味で
繊細に光速で往来する電気信号をいう
肉体反応として
四肢は細かく震え
皮膚は頭皮までも鳥肌が立ち
歯痛頭痛腰痛膝痛筋肉痛全ての痛みは消え去り
心は そう 常に
恨み 妬み 怒り 失意 悲観 絶望に
満ち溢れる この 心は
それらを 鼻で笑って 大らかに 赦す
−ああ私という人間にも赦すという機能がまだ眠っていたか−
心臓が 一段 回転を上げた
震動が生む波は静かな熱を帯びた感情の起伏音
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