風景/
蒼木りん
畑のまん中に
猫が座っていた
「おまえなにやってんだ」と
声をかけたら
聞こえないふりをした
じっと見ていたら
しっぽがピンとなって
顔がまじめだった
「おまえなにやってんだ」と
また声をかけたら
「青便してんだから話しかけんじゃね」と
ぶつぶつ言って
畑を耕していた
それはむかし
今日のように
いい天気の日だった
わたしは
猫になりたい
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