じゅんけつ/モリー
 
愛しい沈黙の最中
それは突如 利己心を振りかざした

真昼の無重力室で
それは機械的に弄り続ける

かけられる言葉は
どれをとっても
私に宛てられてはいなかったし
拒否権をほのめかされたが
余念は微塵も無いようだった
「私」は何処にも居なかった

彼をそれに投影しては
絞首したい衝動が胸を塞ぐ

彼は確かに美しかった、と
浮かぶ心は私を見下ろし静かになだめる

何かを諦め
血潮は純粋であるからと
仰向けのまま漂い泣いた

斬殺されゆくこの身を抱いて
この世で私と彼一人
此処には在るのと孤独に泣いた
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