栗の木/いてゆう
 
透明な眼を擦って
きれいな三日月を眼の中に入れたい
どうでもいい
アイ(ル)ランド
ほんとに
秋には
次々と
落ち葉に包まれ 捨てられていく
心や 精神より 大事なものが あるんだね

夏なんて
一瞬さ
一瞬で シュンタロー
動く矢印に別れて
急勾配の厚い屋根に
夜空が食われていた(バリバリと)
確かに
彼女の乾いた肺の中に
栗のイガイガが育っていたね
それが裏庭の窓の向こうに見えていた

大きく育った栗を食べるのは誰なんだろう
(おいしそう)
地獄みたいに 怖い口を開けた
電柱が狙っているよ
栗の木の彼女は
スカートをはかない
ストーカーが 
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