君に贈るテレパシー /服部 剛
日曜の朝早く
研修に出かける君が
遅刻しないか心配になり
僕も6時にセットした
目覚まし時計の鳴る音に
寝ぼけ眼(まなこ)で身を起こし
モーニングコール代わりの
メールをひとつ、君に送る。
僕は朗読会の司会の為に
後から一人、東京へ向かった。
中央線が四ッ谷駅を、通過する。
思わず席を立った僕はドアに凭れ
車窓の外を、みつめる。
( 今頃君はあのビルの中に・・・ )
胸の奥を震わせる僕は
新しい日々を歩む君が
幸福に包まれるように
瞳を閉じて、一心に
両手を、組み合わせていた。
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