瞬く星 /
服部 剛
満月の宵、何処からか琴の音のする温泉で
畳の寝台に横たわり、いちめんの夜空を仰いでいた
霞がかった雲の向こうに灯るいくつかの星は
遠くから、僕に何かを云(い)っている。
かれらの囁く信号(サイン)のような星ノ言葉を
明日から幕を開ける日常の舞台で、人々に配ろうと思う。
遥かな場所で互いを呼び合う
星と星の瞬きが
僕とあなたの瞳に、灯るように
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