夢散 / ****'04/小野 一縷
銀に回転する木霊 切り裂く稲妻は金
雷鳴 砕け散り 緋色の星群
飛来する箒星 末尾 流れ 弾け
灼熱の 列火 連なり 街は 黒く 崩れてゆく
その様が スプーンを 真似た 冷たく 固い
目蓋を スクリーンに 幻灯機 稼働する
無声 否 無音の 只中で
グラつく眩暈 キリキリと頭痛へ
変成する 感覚神経への刺激
血肉は 精神より狡猾
罌粟の煙へ 条件反射を模して
求愛 否 愛欲 否 性欲 否 もっと
原始 原初 化学物質 ケミカルと
レセプター 脳細胞の 単純明快な 結合
それも 連続して ただ ただ 具体的な
場の無い 何処かへの 到達
それは 移行 沈下
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)