キャンパスから/天野茂典
 
 

  白いレースと
  モスグリーンのカーテンの外は
  朝焼けの予感
  大学校舎の壁に映って
  小鳥たちの目覚めをうながす
  日本列島幾つの目覚まし時計が鳴るのだろう
  朝だ
  花々にふるふるゆれている朝露
  ちいさなバスターミナルでは
  回送バスが待機している
  フルスピードで駆抜ける車の列は
  枯れ葉にタイヤの刻みをのこす
  オレンジ色に染まって
  緑が濃くなるキャンパスの静けさ
  女子大生はまだベッドのなかだろう
  眠りの中でさざえになって海の音を聞いてるだろう
  朝はやさしいトーストの匂いに満ちている
  少女はしゃが
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