牛丼/服部聖一
あなたとなら、よなかの吉野家にだって行ける
だって、誰がいてもいなくても関係ないから
あなたとなら、地球の反対側くらい遠く離れていても
遠くで「キーン」という打球音が聞こえる
真夏のグランドで
鼻の頭に玉の汗をかきながら
砂だらけになりながら走り回る
空を見上げても、雲は見ない
毛穴の見えない距離というなら
空より遠くに行かなきゃ ならんわな
それなら、ロケットに乗らな ならんわな
金がかかりすぎるわ
などと、バカな話しをしながら
白っぽい紅ショウガを乗せた牛丼をかき込んでいたりするのだ
結局、毛穴は
毛穴は牛丼にかくれて見えない
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