星/Giton
 
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正義はきみの中にはない。もちろんぼくの中にも。それは空にかかっているが遠くではないいつも宙を漂っているがすぐ近くにあるのだ。見ようとすればいつでも見えるのだがきみは見ようとしないなぜならきみにとって正義とはきみの中にあるものできみはいつも自分の胸の中を探って呻吟しているからだ。
それゆえにぼくはきみに対して正義を見てほしいと願うきみが正義を見るときにはぼくにも見えるからきみが見ていなければぼくにも見えないなぜならきみだけの正義が無いようにぼくだけの正義も無いからだ。
そして正義とは何かなどとぼくに訊ねるのはやめてもらいたいもしも自分だけの正義を見ることができるならきみに見てほしい
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