庭/Akari Chika
 
美しい 庭

自分を見つめ直すための 庭

幾千枚の 緑の葉
針刺す布
手から 落ちて

ただ そこにある庭を 眺めている

季節は めまぐるしく動き

今 また
再生の春が鳴く

私は 古い椅子に寄り掛かり
編まれていく朝を
仰ぎみる

いくつ 歳をとり
傷ついていったとしても
この庭だけは
美しいまま

荒れていても
凪いでいても
命を含み続ける
海に似て

私は 額に手を当てて
諦めたはずの 涙をこぼす

許されていく
そう感じている

地球の奥深くに 潜ったような 暖かさ

手探りで
触れる 土から
誰の言葉より
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