だけど/松本 涼
 
ももももも
と地べたから不安が
盛り上がってきた


ししししし
と思わず僕の足は
竦んでしまった


ややややや
と不安は僕の足元から
身体を這い登ってくる


こここここ
と僕の喉が細くなって
声が固まる


んんんんん
と不安が僕の
口を塞ぐ


ななななな
と身体の奥まで
不安は滑り込む


おおおおお
と僕の周りに
風が集まり始める 


わわわわわ
と耳の中で
風たちは回る


りりりりり
と目覚ましが
鳴っている


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