夫婦ノ樹 /服部 剛
 
いつやって来るかも知らぬ 
嵐を恐れたところで、始まらない。 

夫婦というものは 
四つの瞳でみつめたものを 
二つの口で語りあい 
四つの手を重ねて 
一つの心で、祈るのです 

私達の愛の手で 
掘った土に根を張り巡らせ 
並立したふたりの樹として立ち 
まっすぐに明日をみつめる時 

やがて嵐は 
自らを忘れたように 
凪いだ風として 
木々の葉を、揺らすだろう 







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