草の駅/天野茂典
 
 


  薄暮の空に
  (草の駅
  刺青のような
  かかる三日月
  刻まれた楔形文字の
  欠落なのか
  青空に開いた穴
  面白いふみ箱
  (今日の仕事はつらかった*
  紀元前3500年前からの
  汗
  卓球大会
  ダブルスは二連敗だった
  せっかく画策して君と組んだのに
  敗れてしまった
  スマッシュも決まらなかった
  軌道を外れた列車のように
  置いてゆかれた
  勝敗は勝たなければ意味がない
  (負け犬なんかになるな
  サーブも速度が欠けていた
  穴子のように打ち返された
  ちいさなピンよ
  彗星
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