原風景11/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
 図書館へ向かう道の途中に小学校がある。とっくに登校時間は終わっていた。
 出来てからしばらく経つらしく、白く塗られたコンクリート製の校舎はどことなく薄汚れ、遠目からでもそれとわかるクラックが入っていた。
 校舎からは子供たちのものらしい甲声が時折聞こえ、平和な日常が展開されている様子が伺えた。
 その校舎のすぐそばにある校門を道沿いに通過するとすぐ、図書館に着いた。
 区で一番の規模を誇るそこは、隣の小学校と同じように白い建物で、同時期に作られたのではないかと思われるほどに似通っていて、クラックの入り方までそっくりだった。
 火のついたたばこを持ったままだったので、中に入る前に消そうか
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