恥じらいと恐れ/蒼木りん
 
自分のことで
人の手を煩わすことは
恥ずかしいことだと思いなさい
それに気づかないことは
恐ろしいことだと思いなさい
いつか
それに気づいたならば
感謝しなさい

はじまりのすべては
人社会に無知で
傷つけられて臆病で
常識とか
十人十色の感情が面倒で
あまいもの食べて
布団に包まって
寝ていられればよかった

人の目を見ないで済むように
下を向いて
ただ課せられた仕事をこなせば
自由とお金が入る
そうやって独りで
生きてゆこうと思ったのに
何故にそうは往かなかない
ほっといてくれればいいのに

人間は
平等だというけれど
良運悪運は

[次のページ]
戻る   Point(2)