原風景9/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
った。吐き出した煙はすぐもやになり、やがて空気と一体になった。
作業を繰り返すうち、甲高い警笛が聞こえ、ほどなく電車が到着した。この駅は各駅電車しか止まらない。どこまで行くかあらかじめわかっていれば、よけいな気を使うことなくタバコで頭をぼんやりさせる事が出来た。
乗り込むと席はそれなりに埋まっていて、たまに櫛の歯が欠けたように空席があるだけだったが、どうせ3駅なので立っていることにした。またぼんやりして乗り過ごしてしまっても面倒なことだ。
[グループ]
戻る 編 削 Point(0)