原風景8/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
あれから寝坊の心配なく、朝早く起きる事が出来たが、あえて会社へは行かない事にした。これから戦うためには、入門書のようなものを一冊読んだだけでは、とても足りないと思ったからだ。
戦うといっても、会社に残りたい気持ちなどはすでになかった。居残ったところで、ただ居づらいだけだ。居残りに見合うほどの給料も、一回だってもらった覚えはない。
それよりも、今後いったい何が可能なのかを探し、そして仮に辞めるにしても、次の展開をも見据えて動けるような、そんな準備が必要だと思われてならなかったのだ。
自殺する予定など当面ないのだから、まず生き抜くこと。
それこそが大事だ。
会社に電話をかけるため
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