「檻の中の同性愛」/桐ヶ谷忍
 
私立女子高。
可愛い制服と、私の他に、私の中学から受験する者が居ない事を
目的で選んだ第二志望の高校だった。
第一志望の高校は落ちた。当然第二志望の女子高は私の偏差値より
下回っていた。
だから成績はいつも上位。優等生だった。

中学までいじめにあっていた私は、高校ではいつも微笑を絶やさずにいた。
またいじめにあうのはもう、心が本当に壊れてしまう。
いじめで培われた他人の顔色を窺う事に長けた事で友達も出来た。
「優しい」「頭がいい」「大人っぽい」それでいて「天然ボケ」。
私は、上手く演った。

けれど、本心では全く、何もかもが楽しくなかった。
いじめとは、
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