名探偵A/番田 
 
私は恐らく、現場のゴミ箱に残されているであろうポッカの缶コーヒーを、捨てないでおくようにと、現場の銭形の所に電話した。この、私の推理が確かならば、缶蓋部分に小さな穴でもきっと、開いているはずである。そして最後に、事件はすでに私の頭の中で片付いたことをなんとなく知らせると、それを聞いた銭形は、何か、私に対して相当くやしかったらしく、
「嘘つけ!」
と怒鳴って、激しい音を立てて、何か壁のようなものを殴りつけると、すぐにブチっと電話を切った。

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