新しさと、詩と  mixi日記より/前田ふむふむ
 
にとって、その甘い感傷的なメロディと、それを支えるリズム、ハーモニーの単調さから、素人のように稚拙な音楽と揶揄されたが、そのシンプルさこそが、ベルリオーズが、もっとも表現したかったところなのだ。アメリカの名指揮者である、レナード・バースタィンは、作曲者の指定した音符を、わざと汚い音色を交響楽団の演奏者に要求した、それに対して少なからず批判があったが、もし、違和感を伴う、その突起する音色がなければ、あの壮大な演奏はありえなかっただろう。
絵画の世界で見てみよう、ピカソの「ゲルニカ」を始めとする小作品に至るまで、欠損および不足、過剰、単調、複雑、奇妙な美しさ、汚さ、などが、一通りそろっているのである、壮大な違和感のなかにある美が、より事象の本質へと深化しているといってよいだろう、
音楽、美術に近い、詩にとって新しさとは何であろうか、やはり、違和感であるといってよいだろう、但し、その違和感は、たびたび心地良いものである。それは、抵抗感があるものの、即ちノイズの伴った、何か違った世界を覗いてしまったような、視てはならないものをみたようなものであろうか
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