肉を買いに雨を、出た/番田 
 
ら、私はいつもの、小さな川の横の道を通る。今日も川はなんとなく灰色でくすんでいたけれど、これはやはり日本の川という名の川なんだなと思った。そしてなにかもっと美しい川の色を見たいものだと思った。ああ、多分見たこと無い、パリのセーヌ川の風景はもっとロマンに満ちあふれている色であることだろう。水色なのか、コバルトブルーなのか…、胸がときめいた。そうして私はぼんやりと色々なことを思い浮かべつつ歩きながら、遊び回る子供たちの脇を通り抜けて、色々な色をした看板を通り抜けながら、しばらく入っていない、あのしょっぱいラーメン屋の前を通って、見えてきたスーパーの中に入った。

行きつけである近所のスーパーは、あ
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