人々の日/山中 烏流
 




ひとは
寂しいふりと、狂ったふりが上手です
全員ではないけれど
大半は、そんな気がします


彼女は論文を書きます
自分が、自分に出した課題で
原稿用紙を何枚も埋めることが出来ます

例えば
秋刀魚の綺麗な食べ方に関する認識の相違
例えば
団地に囲まれた公園での、何とやら
例えば
明日と翌日と次の日の違い


お前は嘘つきだな、と言われます
その通りです

肯定も嘘になることを見越して話すのは
何よりも疲れます


昔のことは、いつも美しく思えてしまうので
一回
全て忘れることにします

そうすると
今度は忘れる、という行
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