壊死/黒子 恭
 

えら呼吸の真夜中が
あぶくを出して歪んでいる
行き先を決めてなかった足が
交差点前で立ち止まってる
ひとしきり吹いたさみしい風も
許せるくらいになれたらいいね、と
そんな台詞を路地裏に棄てて
下を向いてばかりの群れ


「空を飛べないかなしいとりは?」と聞くと
「独り」と決まって答えている
大事な部分が抜けたパズルを
何時までも大切に守ってる
弱い所が侵されて
徐々に死んでゆくみたいに


愛の歌ならロマンチストに、
自己満足ならナルシシストに、
ペシミストは自らの喉を
潰してかなしいペンを執るのだ
あてがう事の出来ない部分に
消毒液を浸すみたいに




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