三年後は?/はるな
 

台風が遠くの海にさしかかったと聞く。わたしのいるところは、晴れていて、暑いがきちんと秋の日差し。さしこむ光の色が橙で、日が傾いているのだと思う。

わたしは空調のきいた室内で、窓の横に座っている。一人で。部屋にはわたしのほかに誰もいない。テレビも、ラジオもついていない。静かだ。何もかもが遠くにあるような気持ちになる。物事は遠く、あるべきところに収まり、わたしは世界に介入していない。そういう気持ちになる。部屋と同じように、こころは涼しく静かになっている。もう少したてば、わたしはわたし自身からも遠くにいけるだろう。

そして、つねに不安はそばにいる。もうずっとだ。わたしは不安とずいぶんと打
[次のページ]
戻る   Point(2)