最期の窓/
 

最期の窓に

しがみついたのは明け方でした

白々ともせず

空は夜に 漂っていました
こぼれていった 麦茶が目に痛く

はじまりの合図を聞いたのでした

冷たい枠を蹴って

溺れるように飛んで

山並みの向こうに光が見えて

子供のように 泣いたのでした

自由すぎて こわい と

ひんやりと白い空気のなかで
戻る   Point(4)