最期の窓/
響
最期の窓に
しがみついたのは明け方でした
白々ともせず
空は夜に 漂っていました
こぼれていった 麦茶が目に痛く
はじまりの合図を聞いたのでした
冷たい枠を蹴って
溺れるように飛んで
山並みの向こうに光が見えて
子供のように 泣いたのでした
自由すぎて こわい と
ひんやりと白い空気のなかで
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