洗骨/楽恵
横顔にぴしぴしグマアミグヮー
濡れぼそりながら
私たち家族おまえの骨を探して歩くさぁ
野原道を彷徨うよ
さっきまでね、
青く尖った蘇鉄が生い茂る庭先にいた
玉虫は突き刺されて
空になった厨子甕 に水が溢れかえっていた
うらうらボウフラが湧いて
緋色の実が2つだけ浮かんで
空が埋まるほど爆弾を落とされても
すべての血族が滅びる事はなかったさぁ
生きていた頃のおまえの姿がね、水をたたえて
満面の笑みを真昼の月と星とが映している
次の瞬間、実が割れた
ぱちんと、ね
マブイ だけ先に帰ってきたの?
家から出る前に、いく粒か米粒でおまえの骨の行方を占ってき
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