石敢当/
Giton
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碧緑に光る浅海
渇いて波うつ島の大地を
太陽は白く灼き尽くし
岸壁に泊まる船の鈍い銀
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村人の行き交う道端の
標石 はるか高くに
こんなにも耀かしい夜があることを
こんなにも沈んだ朝があることを
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きみに知ってほしかったから
がじゅまるの 真紅の花散る正午
ぼくはこの岸に下り立つと
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誰もいない街路はきみを迎え
うず高く積まれた甘蔗の束に
雲の無い空が照りつけていた――
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