ねじ式変身/……とある蛙
しかし、唇も舌も痺れてしまっていて
ほーほーほーほー
と
むしむしした暑さと一緒に
身体が丸まってしまいました。
何時間経ったのか
何十時間経ったのか
何日間経ったのか
何十日間経ったのか
唇は乾ききって罅割れ
何処が口なのかギザギザになってしまい
棘だらけの管のようになっていて
自分では何処が口なのか分かっても
他人には理解できないような感じに成っています。
手足はやせ細ってやはり罅割れで
ささくれだって節々は膨れているが
手足より丸くなって
罅割れのためトゲトゲした関節の方が太い
爪は鍵状に丸くなって反っくり返り
硬い
頭髪な抜け落ちているが疎らに剛毛が生えています。
背は中華鍋を伏せたように丸い。
実際声を出そうにも
しゅーしゅーしゅーしゅー
息が漏れるだけです。
自分がどんな生活をしていたか思い出せません。
布団はぬるぬるした体液でべっとりしていて
心地よい。しかし、左腕は痺れたままです。
でも腹が減っている
何か食わねば。
何か食わねば。
この形で生きて行くにしても。
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