ピノキオ/月乃助
 
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( 乾いた木のままでは つらいのです )
( 秋がやってくるなら なおさら )


通り雨の大粒な なみだのような冷たい滴に
もうこれで 夏が終わるのを知りました
すぐにやってくる
温かな紅茶をありがたがる そんな季節が、

天からの慈雨 それは、
想いのすべてをいやしてくれる

だってとか
仕様がないとか言っては
迷いながら うそをついた夏
だから、木人のようにのびたはなを
不器用に削りながら生きてみた

小さな願いに
明日はきっともっとよい日がやってくると
ぎくしゃくした笑顔を向けながら
信じているわけでもないのに
自信のあるようなふ
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