絵本「猫たちの肖像画」/まどろむ海月
 
火に向かいあって座っているように見えるのは若い男女かな。
 ・・・ ほほう、見つめあっとる。
 ・・ 微笑みあっとる。
 わしゃあ、目がおかしいのかな。
 幻かな。」

 画家は猫を床に降ろすと腕組みをした。
「・・わしももうろくしたかな。
 まあ人生は夢みたいなもんじゃが・・・。」











 猫は背を向けてあるきだすと、
 尾で?を作りながら、
 ゆっくりと部屋の隅の闇の中に消えていきました。























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