晴れやかに/Akari Chika
 
ひしゃげた空間に腰掛けて

透き通っていくからだを愛でた



慈しむのならば

純粋なものではなく

混在したものを

慈しみたい



人と人との

複雑な感情の 交わりのような

簡単に結べず

簡単にはほどけない

そういうものを 



トゥルル トゥルル

遠くの部屋から

鳴り響く電話の呼び出し音



双子の歯車が

カチリとぶつかり合う音で目が覚める



もう行かなくちゃ



ひどく寂しい

でも



ひどく晴れやかな気持ちだった

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