bdBは死んだ/中原 那由多
夜の散歩に出掛けた際に
無数の小さな光たちは
私を少年時代へと連れていく
できるなら、ここへ来ることは避けたかったのだが
不意に遮っていったかつての残像は
無罪の色をしていた
つまらなかった平凡作業
気だるい目線の先は無人
許してほしいとはもう言わない
それは私も変わらないから
みえすいた嘘をついた貴方は
綺麗すぎる白だった
あからさまな言い訳をした貴方は
どうしてあんなに醜かったのだろうか
再び交わるというのなら
トラウマのひとつくらい持っていっておくれよ
開かれない同窓会と
砕け散った青春の面影は
ルールのせいにしてやってもよかった
信用していたガラスの空間は
ひび割れて腕を傷つけ続けた
責め立てるつもりはないけれど
影は今でも暗くなっていく
貴方はすでにこの世界にはいない
私もまたあの世界を離れて
何もなかったことにした
積もり積もっていた言葉たちは
遠くのあの日に腐り果てた
もうすでに空は青い
冷たい風が吹き始めるころには
思い出すことさえ退屈でありますように
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