生/小川麻由美
べっとりと体内にこびり付いた物体
これを何と呼ぶべきか私は知らない
だがこの物体は私にとって間違いなくやっかいものだ
完全に取り去る事などはなから考えない方がいい
どうしたらいいのかもう答えは出ている
この物体と共生していくのだ
自分の一部になってしまった事を認めなければならない
毎日欠かさず粒を体内に押し込む
それが最善の策だと自分に言い聞かせながら
どんな思いをその粒に抱いていようと関係ない
希望という耳慣れない言葉を実感できるであろう道筋だから
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